杉谷惠美(すぎたに・えみ)
シンシア・ガーデン代表
女性誌ライターとして美容ページ、ファッションページ編集に4年間携わる。24歳で、子宮内膜症と成人性アトピーと診断され、その後植物療法を学ぶ。自身の病を克服した自然療法を啓蒙するため、オーガニックアロマスパ「シンシア・ガーデン」をオープン。その後「ママバター」「リンレン」「ネロリラ ボタニカ」など、数多くのオーガニック&ナチュラル製品を開発。
現在はヘッドスパ&ヘアサロンの経営や、商品プロデュースも手掛ける。
植物療法で体質を改善できた
──まず、杉谷さんのこれまでのキャリアを教えてください。
杉谷:前職は、女性誌やファッション誌のライターでした。仕事は本当に楽しくてやりがいがあったのですが、激務で体調を崩してしまったんですね。わらにもすがる思いで、さまざまな方法を試す過程で出会ったのが植物療法です。西洋医学的なアプローチだけに依存せず、自然の摂理を取り入れて自分の体を見つめ直して、根本から体質を改善しようと考えました。そうして、健康な体を取り戻すことができたんです。この経験を通して、植物療法の素晴らしさや、自分に対して慈愛の目を向けることの重要性を多くの人に伝えたいと考えるようになりました。その手段として、小さなアロマテラピーサロンを開いたんです。
──そこから、「ママバター」や「凜恋(リンレン)」といったオーガニックコスメブランドや、オーガニックスパやショップ、ヴィーガンカフェを併設した「シンシア・ガーデン」へとつながっていったのですね。
杉谷:はい。最初は大変でしたが、次第に私の考えを支持してくださる方が増えて、事業は軌道に乗っていきました。支えていただいた皆さんには感謝しかないですね。
CBDの効果と精油の香りのバランスを図る
──「CBDAYS MOMENT」のプロデュースに至ったきっかけを教えてください。
杉谷:私が起業してから17年。声をかけていただくことはありましたが、他社ブランドのお仕事を手掛けたことは一度もありませんでした。今回初めてお引き受けしたのは、日本発のCBDブランドを立ち上げた株式会社qolsの堀金建吾社長と、そのブランドプロデューサーを務めている柴田陽子さんに直接お声がけいただき、お二人の志に共鳴したからです。
私自身がCBDを愛用していたというのも大きいですね。仕事でよく海外に行くこともあり、5年ほど前からCBDを使っています。ハワイに行くと、必ずCBDレモネードを飲んでいましたし、その効果は実感していました。
──製品化にあたってはかなり苦労されたとお聞きしました。
杉谷:いずれも大変でしたが、とりわけシグネチャーアイテムであるCBDドロップオイルは口に含むタイプの製品なので、おいしく仕上げる工程は難航しました。原料が大麻であるということから、CBDは口に含むと独特の苦味があります。「良薬口に苦し」という言葉がありますが、やはり我慢して飲むのではなく、おいしいと思って使ってもらいたい。そこで精油の効果や香りを取り入れました。ただ、CBDの効果と精油の香りのバランスがなかなか難しいんですよ。時間をかけて何度も何度も試作を重ねて完成させました。
───発売後の反応はいかがでした?何か予想外の声はありましたか。
杉谷:日本でのCBDの認知度はまだまだ低いことがよくわかりました。「CBDを使ったアイテムなんて、なんだか怖くないですか」。そんな声を寄せられることもあります。CBDに対してネガティブなイメージを持つ人も少なくないですね。
だからこそ、CBDAYSでは安心・安全を強く訴求しています。「COSMOS Organic認証」や「COSMOS Natural認証」、「有機JAS」の格付を取得しているのもそのためです。 CBDを口に含むことに抵抗があるという方も多いので、塗って使えるロールオンタイプのCBDロールオンオイルや肌や髪に手軽に使えるバームタイプのCBDボディバーム、ハンド美容液のCBDハンドセラムもラインナップに加えました。私たちは、多くの方にCBDを正しく理解してもらい、安心してお使いいただけることを伝えるメッセンジャーでありたいと考えています。
──CBDの敷居を下げるために、入り口を広げたんですね。
杉谷:そうです。うれしいことにお問い合わせは徐々に増えてきました。インスタライブでCBDAYSの製品を紹介すると興味を持ってくださる方は多いですよ。
ただ、どのようにして使ったらいいのかわからないという方も少なくない。そこで、さまざまな使用シーンの提案に力を入れています。筋肉疲労を和らげたり、ヨガや瞑想の後に使ったり、軽く気分が落ち込んだときに使うなど、イメージしやすい具体的な使用場面をお伝えしています。
セルフケアをサポートするアイテムに
──杉谷さんご自身はどのようにCBDAYSの製品を使っていますか?
杉谷:普段は、最高濃度のドロップオイル「ULTIMATE40」を飲んでお風呂に入り、ボディバームでセルフマッサージをしています。自分だけの時間を10分だけでも持つと癒されますね。
今日は一日リモートで仕事、というときには、ネロリとローマンカモミールの精油を配合した「DEEP SILENCE」をロールオンで体中に塗って、集中力を高める手助けをしてもらっています。出張の時はCBD ロールオンオイルを全種類持っていくんですよ。非日常の空間であるホテルを、自分にとっての快適な空間に変えるのに効果的です。
個人的な体感として、CBDには家族関係が良くなる効果もありますね。私は年子の男の子2人を育てていますが、子どもの言動に対してつい、イライラしてしまうときがあるんです。そうしたときにCBDを使うと気分が落ち着きます。睡眠の質も上がりますね。コロナ禍で不眠症に陥ったり、不安にかられたりという方が増えていますが、植物由来のCBDをぜひお勧めしたいです。
──少しの時間であっても、自分を慈愛する時間を持つことが重要なんですね。
杉谷:そう思います。朝起きたらすぐにスマホを手に取り、寝る直前までスマホをチェックするのではなく、スイッチをオフする時間を持つことが大切です。私はそうしたスイッチオフの時間を手助けし、セルフケアをサポートするアイテムを作りたかった。CBDAYSでそれが実現できたと思います。
日本の女性は頑張りすぎだと思うんです。それは良い点でもありますが、自分さえ我慢すればいいと「耐える美学」に陥りがち。でも、それでは心と身体の健康を損ないかねません。もっとわがままに、もっと貪欲になっていい。自分自身が笑顔でいられる方法、自分の気持ちが良くなるやり方やアイテムを使って、セルフケアの時間を作ってほしいですね。
未来の地球を守りたい
──これからのCBDAYSのラインナップや、ご自身の活動の展望についてお聞かせください。
杉谷:欧米にはCBDを使ったタンポンなど、フェムテックの実績が多数あります。CBDAYSでもフェムテックのラインを出して、PMS(月経前症候群)や更年期障害の緩和につながるアイテムを投入していきたいですね。
未来の社会と環境に寄与できるツールを作ることも目標です。実際に、CBDドロップオイルには、ポン酢を作る工程で廃棄される徳島県産のすだちの皮を使って、香りの成分を蒸留したアイテムがあります。CBDボディバームは佐賀県加唐島産のツバキ種子油を使用していますが、これは地元の漁師さんたちが漁獲高を増やすために組合を作り、4万5000本もの自生の椿を拾って圧搾機で絞った油です。
2021年冬に発売した「CBD CHOCOLATE」は、障がい者雇用で知られる「久遠チョコレート」とのコラボ商品です。CBDAYSの商品が、障がい者も含めて地域の雇用を促進し、経済を活性化するだけではなく、未来の地球を守ることにもつながっていく。そうした一つひとつの物語を発信しながら、「ライフステージが豊かになった」と心から実感いただける製品を手掛けていきたいと思います。