手作業にこだわった上質な椿油が、島の生活を支える。
──加唐島の椿油との出会いについて教えてください。
杉谷:加唐島のある佐賀県唐津市とは、6年ほど前からお付き合いがあり、耕作放棄地を活用したオーガニックコスメづくりに取り組んできました。そうしたつながりの中で、加唐島には45,000本のヤブ椿の木が自生し、島の人が昔ながらの製法で椿油を作っているという話を聞いて興味を持ち、見に行くことにしたんです。椿油といえば平安時代ごろから美容オイルとして使われ、日本人の肌にとてもなじみのあるもの。メイド・イン・ジャパンにこだわるCBDAYSのものづくりにもマッチするのではないかと考えました。
──加唐島は佐賀県最北部、玄界灘に浮かぶ人口100人ほどの小さな島です。実際に訪れた島の印象はいかがでしたか?
中原:軽トラックの荷台に乗って島を一周したのですが、入り江がすごくきれいで、あちこちに椿の木があり、自然豊かな場所でした。かわいい野良猫もたくさんいて、のんびりとした時間が流れていましたね。島のまとめ役である区長さんが案内してくださったのですが、穏やかでとても素敵な方でした。
杉谷:秋になると区長さんが音頭を取って、島のみんなで45,000本分のヤブ椿の実を収穫するそうなんです。加唐島はもともと漁業が盛んな島なのですが、近年は温暖化の影響で漁獲高が減り、収入に結びつかなくなってきている現実があります。そこで島の資源である椿油で漁師の生活を支えようと組合を作り、収穫から搾油、濾過まで島民の皆さんが手作業で行なっているんです。
中原:本当に昔ながらのやり方で、すべてが手仕事なのには驚きました。私たちが訪れたのはちょうど収穫の時期だったのですが、どの家も軒先に椿の実をめいっぱい広げて天日干ししていましたね。
河野:天日干しで数日かけてじっくり乾かすと、種の中の余分な水分が抜けて濃厚で上質な椿油がとれるそうです。本当に手間を惜しまず、丁寧に作られていましたね。
杉谷:しぼりたての椿油を初めて目にしたとき、その美しい黄金色となめらかさに感動して。これはぜひCBDAYSの製品に使わせていただきたいと思いました。
丁寧に搾った椿油ならではの、とろけるような質感。
──加唐島の椿油には、どのような特長がありますか?
杉谷:加唐島の椿油はコールドプレス製法(非加熱処理)でゆっくりと搾油するため栄養素が壊れず、たっぷりと残っているのが特長です。椿油の85%以上を占めるオレイン酸は皮脂に近い成分なので、肌に潤いを与えて柔らかくし、ターンオーバーを促してくれる作用が期待できます。CBDAYSのボディバームには加唐島の良質な椿油をこれ以上ないほど贅沢に配合しているので、とても伸びが良く、肌もしっとりとうるおうんです。お風呂上りにこのバームを塗ってリンパマッサージすると、ぐっすり寝られるという方はとても多いですね。私自身も普段から愛用しています。
河野:肌にのせたときの、あのとろけるようなテクスチャーは感動的ですよね。ぜひ、多くの方に試してみていただきたいです。
目には見えない、作り手のエネルギーも大切な成分。
──使う人の肌も、作る人の暮らしも潤う、サスティナブルなボディバームなんですね。
杉谷: CBDAYSのものづくりは、「ありがとう」しかない世界なんです。大げさではなく、本当に。私たちは生産者の方に作ってくださって「ありがとう」ですし、生産者の方も自分たちの大切な地域資源を有効活用してくれて「ありがとう」と言ってくださいます。私はものづくりにおいて、ピュアなエネルギーがすごく大切だと思っていて。化粧品のパッケージの成分表に書かれている「目に見える有効成分」だけでなく、どこで・誰が・どのように作っているのか、「目に見えない人のエネルギー」も感じ取っていただきたいんです。最近は、食品を産地や生産者さんで選ぶことが当たり前になってきていますが、私は肌にのせるものも、食べるものと何ら変わりないと思います。これからもCBDAYSのものづくりは産地や生産者さんを大切にしていきたいと思います。
──まだ知られていない魅力的な地域資源が、日本にはたくさんあるんですね。今後、CBDAYSで手掛けてみたいアイテムはありますか?
杉谷:日本のオイルを使ったデリケートケアアイテムを作ってみたいですね。椿油もそうですが、日本の土で育った植物からとれるオイルは、ココナッツオイルやシアバターといった南国のオイルと比べて粒子が細かく、とても滑らか。CBDとかけ合わせることで、今までにないデリケートケアアイテムが生み出せるんじゃないかなと考えています。日々、人とも素材とも新たな出会いがあるので、今後も楽しみにしていてください。