CBDを手軽に生活に取り入れる──素材もつくり方もサスティナブルな「CBD CHOCOLATE」ができるまで

「QUON CHOCOLATE」とのコラボレーションによって誕生した「CBD CHOCOLATE」が目指すのは、おいしさと社会課題解決の2つを同時に実現すること。障がいがある方が活き活きと誇りを持って働けるように素材や製造工程の一つひとつを吟味したサスティナブルな取り組みに挑戦しています。今回は「CBD CHOCOLATE」の製造に携わる方々の声を聞きました。(取材・文:CBDAYS JOURNAL編集部)

身近なチョコレートからCBDとの接点を

自らを「ありたい自分」に導き、自己肯定感を高め、心身ともに豊かな生活を送ってもらいたい。CBD製品を通じてそのお手伝いができれば──。そんな願いを込めてCBDAYSは誕生しました。

とはいえ、日本においてCBDの認知度はまだそう高いとはいえません。CBDをもっとライフスタイルの中に取り入れてもらうには何が必要なのだろう。この疑問への一つの答えとしてラインナップに加わったのが「CBD CHOCOLATE」です。

チョコレートを食べたくなるのはどんなときでしょうか。ちょっと一息つきたいとき、自分にご褒美をあげたいとき、元気を取り戻したいとき。毎日の生活のポジティブなアクセントとなるチョコレートは、CBDが持つさまざまな魅力と親和性が高い「食」といえるでしょう。

しかし、CBDAYSは中身だけではなく、パッケージについてもモノが作られる過程を尊重し、サスティナブルな商品づくりを心がけているブランドです。そのラインナップに加える以上はチョコレートにもサスティナブルなサイクルを取り入れたい。

このとき出会ったのが「QUON CHOCOLATE」です。すでにご存知の方も多いでしょう。いま、日本全国の舌の肥えたチョコレートファンを魅了している「QUON CHOCOLATE」を生み出しているのはさまざまな障がいがある方たち。障がい者の労働の価値と賃金の向上を目指して立ち上がったチョコレートブランドは、「誰一人取り残さない社会の実現」を掲げるSDGsの原則にも合致しています。

「CBD CHOCOLATE」を製造しているのは、この「QUON CHOCOLATE」が全国52カ所に展開している拠点の一つである新潟のNPO法人あおぞら(以下あおぞら)。チョコレートの製造販売は10人の利用者が担当しています。

CBD CHOCOLATEを製造する、あおぞら利用者の皆さま

障がい者の方々と一緒に事業活動を通して喜びのあるくらしをつくり、地域社会への貢献を図ってきたあおぞらとCBDAYSとの出会いはある意味、必然でした。あおぞらは主に化粧品の製造を手掛けていますが、そのきっかけは「CBDAYS MOMENT」の製造を担う化粧品OEM会社、アルデバランの代表取締役・暮部達夫氏から声をかけられたことです。さらにあおぞらは「QUON CHOCOLATE」の創業者の夏目浩次氏からのアプローチでチョコレートの製造もスタートしていました。CBDAYSと接点があり、チョコレートの製造についてもノウハウがあるあおぞらとCBDAYSとのコラボレーションはこうして始まったのです。

あおぞらが取り組むサスティナブルな働き方

あおぞらは当初、障がい者の就労を支援することで工賃を上げたいと考え、下請け仕事だけを担っていました。創業者の一人、本多佳美氏は言います。

「下請けならば在庫を抱えずに済みますし、その方がリスクなく工賃を上げられる方法だと考えていました。でも、東日本大震災で仕事が半分ほどに減ってしまったんですね。そのときに出会ったのがアルデバランの暮部社長でした。いろいろ考えて、下請けではなく自分たちで工程をしっかりと検討し、その中で利用者たちに合った作業を作り出していこうと考え、まずは化粧品製造からものづくりを始めました」

化粧品製造に着手してから、利用者の意識や意欲は大きく変わったといいます。自分たちが作り上げた商品が店で販売されると、家族や仲間が見てくれる、声をかけてくれる。良い循環が起き、利用者の間で「これは自分たちの仕事なんだ」という意識が高まっていったのです。

パンや焼き菓子と異なり、失敗したら溶かして固め直せる特質があるチョコレートの製造も、利用者のモチベーションアップに貢献しました。

「事業所には毎日出勤できない人も多いので、生産量にはどうしてもばらつきが出てしまいますが、チョコレートだと冷凍保存がきくので無駄になるものがないんですね。サイズも関係なく、廃棄するものが出ません。温度管理をきちんとすれば、障害のある方でも自分のペースで作業に取り組みやすいんです」

本多 佳美氏(NPO法人あおぞら 理事長)

おいしさやデザインをきっかけに商品の背景を伝える

あおぞらの事業所で働く利用者の障がいの内容や程度はさまざま。シール貼りが得意で高い生産性を誇っている重度の自閉症の青年は、他の障がいの軽い利用者たちの目標になっているそうです。

逆にこんな利用者もいます。

「私は箱詰めやシール貼りといった作業が苦手なので、フルーツにチョコを付ける作業を担当しています。ちょっとずつ、調整しながらできる作業が好きですね」

どんな仕事もこなせるオールラウンダーもいれば、特定の作業だけを担う利用者もいる。基本的な作業からスタートして、商品の補充やセットアップまでこなせるようになる利用者もいます。作業工程を分割し、利用者それぞれの特性や能力を見極めた上で作業を割り振り、労働生産性を上げていく。この仕組みが障がい者の意識を変え、結果として働き手を誰一人排除することなく顧客満足度を上げ、収益を生み出すことにつながるのです。

「事業所に見学の方が来てくださると、自分たちで商品のことを語ってくれる利用者も多いです。自分たちの商品、自分たちの店だと思って日々取り組んで努力していけるんですね。仲間との良い関係も生まれていきます。こうしたことが社会の中で普通に起こるといいなと思いますね」と本多氏。アルデバランの暮部社長もこう言います。

「私たちのテーマは社会的な課題解決。その手段として化粧品事業を営んでいますが、障がい者支援をしているという意識はないんです。自分たちのビジネスのパートナーとして障がい者の力を活かしていきたい。そして、『QUON CHOCOLATE』や『CBDAYS MOMENT』を通じて、商品の背景にこんなふうに仕事をしている障がい者がいることが伝わってほしいと思います。ただ、それはお客様にとっては昔のレコードでいうとB面に過ぎないと思うんですよ。チョコレートだったらおいしいとかデザインがいい、値段が手頃といった理由でお客様に買っていただき、その際にB面をさりげなく伝えていく。そうすることで障がい者の雇用が確立し、社会問題の解決につながっていくのだと確信しています」

暮部 達夫氏(アルデバラン株式会社 代表取締役)

それぞれに味わいが異なる3つの味

あおぞらで日々、生み出されている「CBD CHOCOLATE」。「自分の気持ちは自分でつくる」をコンセプトに現在、3つの商品がラインナップされています。

カカオの力強さが特徴的な「QUONオリジナルノアール54%」、ホワイトチョコのまろやかな甘みが特徴的な「新潟村上茶ホワイト」、ほろ苦くもまろやかな甘みのバランスが特徴的な「新潟珈琲ミルク」。それぞれに味わいが異なる商品を選定し、老若男女どなたにも好んでいただけるバリエーションです。

商品化に際して苦心したのは、味の選定はもちろんですが、実は意外にもチョコレートの粒の大きさです。いったいどれくらいの大きさにすれば食べやすいのか。試行錯誤の末にたどりついたのが10円玉サイズの大きさです。お好きなときに気軽につまんで食べていただくためには500円玉サイズより小さい方がちょうどいい。そんな結論に達しました。容器は保存しやすい瓶入りを採用しています。

CBDは一粒に約3.5mg(一瓶に約57粒で85g、CBD200mg)を配合しました。仕事中は2~6粒、リラックスしたいときは6~10粒など、気分や状況に合わせてお好みのCBD摂取量を調整できるようにするためです。

好きな時間に好みの量を食べて「自分の気持ちは自分でつくる」

2021年12月の発売以降、すでにお客様からはたくさんの声が届いています。発売に合わせて実施した杉谷惠美さんと早坂香須子さんのインスタライブは、開始1時間でオンラインストアで予定していた数量をすべて完売し、入荷待ち、予約販売という予想を上回る反響を呼びました。Instagramでも「CBD CHOCOLATE」に関する投稿が相次いでいます。

現時点での一番人気は「新潟珈琲ミルク」。ほろ苦く香ばしいコーヒーとまろやかなミルク味の組み合わせが絶妙で、甘すぎず苦すぎない仕上がりが人気のようです。小さく砕いたコーヒーのじゃりっとした食感も楽しんでいただける点も好評を得ています。

「CBD CHOCOLATE」の使用シーンはさまざまです。食後につまんでいただくのもいいし、おやつタイムに食べるのもいい。オフィスのデスクに置いて、仕事中の息抜きとしてつまむのもいい。各自が自分の気持ちに寄り添いながら好きな時間に好きなだけ食べる。それこそが、「自分の気持ちは自分でつくる」をコンセプトに掲げる「CBD CHOCOLATE」の本質です。

今後は、SNSなどを中心に口コミで認知度を上げながら、サブレやクッキーなど新しい商品の開発も計画しています。サスティナブルなサイクルを踏まえつつバリエーションを広げ、ライフスタイルにさらに取り入れやすい商品展開を目指します。